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Sanshiro’s diary

大した事もない日常だけど…

小説 「大学生活」

 

第4章         鳥人間コンテスト

 

 

  そんなある日たみは大学の掲示板に貼られていた1枚のポスターを目にする。そこにはこう書かれていた。「鳥人間コンテスト参加者大募集」… 

  これをみたたみはこんな事を思った。「僕が鳥人間コンテストに参加してペダル飛行機に乗って最長埠頭をマークすればきっとみんなから僕が筋肉が戻っているつまりマッスルダウン症から治っているという証明になるだろう。ひょっとしたら地元の連中に頼めばいいペダル飛行機を作る事が出来るかもしれない…」

  たみは地元の連中はたみがもうマッスルダウン症から回復しているという事がおばさん連中をつたって伝わっているという事を知っていた。しかしペダル飛行機を設計出来そうな地元のその人とは同じグループにいれどそれ程仲が良い訳ではなかった。

「でも頼めばなんとかやってくれるかもしれない」

  たみはLINEで地元の連中とはグループを組んでいたので、そこに自分が鳥人間コンテストに出たい旨を伝えた。

地元の連中はびっくりした。「たみが⁈

たみが鳥人間コンテスト⁉︎」

最初は突然の報告にみんなびっくりした様子だったが、たみがその鳥人間コンテストに乗る飛行機の設計をお願いしたいことをLINEすると、みんなの評判は良かった。しかし 「運動神経のあまりよくないたみが乗るんじゃな」とやはり仲のあまり良くないその友達には乗り気にならない様子であった。たみはどうしてもまた大学のみんなと普通に仲良く大学生活を過ごしたかった。そしてやのもまたみんなと仲良くして欲しかった。その為にどうしても鳥人間コンテストに出たくなった。たみは言った。

「運動神経をカバーする為に僕はこれから1日10キロの道のりを出場日の前日まで3ヶ月間毎日走る」たみは本気だった。

「大丈夫かよ たみ 10キロって結構あるぜ」

「いや 僕はとりあえず最長埠頭が目標だから」

「ならOKわかったよ」「それならオレらも素晴らしいの作ってやる」「うん ならオレも協力する」

  その仲のあまり良くない友達もOKをくれた。

「まあ もう 設計はコカだよな」「うん間違いないね」

「もう構想は浮かんだ」

「なになに?」「なにコカ」

「乗る人はあおむけで飛行しないとダメだな。寝ながらペダルをこぐかんじだな。景色がみれないのは我慢してもらうしかない」

「そーか どうだたみ?」

「いや かまわないよ 最長埠頭が見込める設計なら」

「そーだよな」

「まあちょっと残念だけど」

「うん」「まあ飛行機製作は俺たちに任せとけ たみは普通これから毎日10キロ走ること」

「OK 了解です!頑張ります」

「でもまたなんでそんなのに出ようと思ったんだ?」

「いやね マッスルダウン症から克服した事を証明する為にだよ」

 「ぁ〜ナルホドね そーいうことか まあ飛行機はいいの作ってやるよ! あとはたみ次第だな」

「うん ありがとう」

  それからたみは10キロ毎日走りはじめた。携帯でチェックしながら10キロ走ったのをわかるようにした。実際にいってはみたものの10キロの道のりは結構あった。たみは最初「こんなにあるのかよ」と途中で歩きだしたくなった。しかし歩いては決していけないと言われていたのでたみは決して歩く事はなかった。10キロ走り終わるとたみはクタクタになった。しかし一週間走り続ける頃にはだんだんとたみはペースをつかんでいった。

  そしてとうとう出場日前日迄たみは毎日10キロ走ることをおこたらなかった。そしてたみはその頃には全力で走れば10キロを約30分余りで走り終えることが出来るようになっていた。

  鳥人間コンテストに出場することはやのには隠していた。やのはたみに対して「どうしてもっと太らないんだ」と文句をいっていた。「太れば見た目は格好がつくのに」しかし飛行機に乗る為たみは体重を増やす訳にはいかなかった。たみは「いや食べてはいるんだけど、でも筋肉はついているから大丈夫だよ」とやのにいった。しかしやのは「本当かよ」たみをいつもかなり心配していた。

  しかしたみは出場前日にとうとうやのにも自分が鳥人間コンテストに出場する旨を伝えた。そうして「頼むから大学の仲間全員で応援して欲しい」とたみはやのに頼んだ。やのは一瞬なにを言われたのかわからなかったが、たみがテレビに出ることがわかると

「いやテレビなんかでみていらんねーよ普通に応援に行くわ」

とみんなで応援に来る事を約束してくれた。

  天気は快晴の出場当日、様々な飛行機が出場する鳥人間コンテストがテレビ生中継で放映されはじめた。

  たみの出番はかなり後ろのほうであった。みんなは約束通り応援に来てくれて早くたみの出番がこないかと他の飛行機には目もくれていなかった。

  そしてとうとうたみの飛行の順番が近づいてたみはインタビューを受けた。インタビュアーはいった。

「初出場のたみくんですが、今の所最長埠頭は981メートルです たみくんはどの位が目標ですか?」

  たみは答えた

「とりあえず3000メートルです」

  インタビュアーは困惑した。

「どういうことかな⁉︎ 300メートルかな⁇」

  しかしたみは再びいった

「最低3000メートル とりあえずそれです」

  たみはそう答えるとテレビから消え準備をしはじめた。たみは地元の連中に飛行機は1キロはいけるといわれていた。

しかしたみは思った。

「とりあえず最低3000だ」

  みんなはたみの発言にびっくりしたがみんなは心が踊った。

  そうしてたみの番がきた。インタビュアーはたみの出場理由についてテレビ中継で話しはじめた。

「たみくんは以前マッスルダウン症にかかっていたらしいです」

「それは本当ですか⁉︎ じゃあ出場は無理だったんじゃ…」

「しかしマッスルダウン症には治るワクチンがあるらしんです それでたみくんは治ったと、それでたみくんは治った事を証明する為に今回出場を決めたとか…」

「本当ですかそれは⁉︎  マッスルダウン症にワクチンがあることなんて話聞いた事ありませんが…」

  するとやのがテレビに映った。

「マッスルダウン症にワクチンがあるのは本当です。東北大学付属医大病院にはそのワクチンを取り扱っています。そうしてたみは治りました。たみはやせてみえますが、かなりの筋肉マンですよ 腹筋割れてるのみせてもらいましたから」

  すると全国からその放送局にマッスルダウン症のワクチンについての電話が殺到した。

  インタビュアーは

「只今 当番組にマッスルダウン症のワクチンについての問い合わせが殺到しておりますが、お調べしております。少々お待ちくださいませ」

   そしてインタビュアーは続けた

「とりあえずたみくんの飛行を見ましょう」

  解説者はいった

「マッスルダウン症の人ならどんなにいい飛行をしてもいって100メートル位でしょうね」

  みんなは息をのんでたみの飛行に注目した。

  たみは飛行機にあおむけになって乗車した。以前も感覚を確かめたがたみはペダルの重さをもう一度確認した。

「うん間違いないこれなら大丈夫だ」

  たみのフライトになった。たみは飛行機のペダルをこぎだした。ペダルは16変速のギアが通常搭載されていた。

  たみの飛行機が飛行台からはなれた    

とおもったらたみの飛行機は上昇して飛行しはじめた。みんなから一気に歓声があがった。

「たみやった‼︎ 」「たみいけーーー‼︎」

  たみはそんな歓声はつゆ知らずもくもくと天を見ながらペダルをこぎつづけていた。

  インタビュアーはいった

「これはひょっとするとひょっとしますよ…上陸もあり得るんじゃないでしょうか?」

  しかしやはりたみにはそんなインタビュアーの言葉も耳には入ってこなかった。

  たみはひたすら軽いペダルをもくもくとこいだ。たみの飛行機はみんなからみてもどこまでも飛んでいくようにみえた。

  いつしかたみはあおむけになって足でペダルをこぎながらこんな事をおもっていた。

 

「なにか天国へ向かっているみたいだ」

 

そんな気持ちにとらわれながらたみはどこまでも飛行し続けた…

 

 

 

 

 

 

                                                           終