Sanshiro’s diary

大した事もない日常だけど…

小説 音楽の人

第2章    時代      

  自分がその人に会ったのは中学受験の時であった。面接の時にその人をみたが何だか不思議な心地がした。何かオーラの様なものが出ている様な気さえした。その試験校は面接、筆記と二回落ちたがどうやらそいつとの縁はそれで終わりではない様だった。自分の進路はとある県立高校に決まった。入学式当日自分はしんと静まり返っている中ひとり後ろを向き岩満君と話していた。自分はサッカー部とのみんなと別れてしまったのでこんな高校来なければ良かったといって岩満君にショックを与えてしまった。自分は退屈な高校生活に少し嫌気がさして窓の外から葉っぱのついてない木を授業中に書いたりして過ごした。

  そんな中高校も2年生に上がると自分はその人と同じクラスになった。今にして思えば何故その人と同じクラスになったのだろう?

  時代はその頃60年代のカルチャーが再来し、ヒッピーなどの影響をうけた若者が多く存在した。自分はその音楽にのめり込んで、とうとう音楽の人と話を切り出す事となった。自分もだいぶその音楽について調べたつもりであったが、圧倒的にその人にはかなわなかった。その人はその全てといってもいい程のアーティストのアルバムを持っていた。当然であろうその家族はここら辺ではあまり見かけない音楽一家であったのだ。

  自分はその人からたぶん貸さないであろう2枚のアルバムを自分に貸した。

  自分はそれから実に25年もの間音楽に傾倒することになる。まぁ勿論あの時音楽を売るなり捨てるなりすることを拒ませた母親の所為もあるが…何故母親はあそこまで自分の気持ちがわからない人なのであろう?…。